魚の国 宝の国 SAKANA & JAPAN PROJECT

SAKANA & JAPAN PROJECT
Facebook Twitter Instagram

食育専門家・浜田峰子の魚で元気な未来!

2017年9月8日
Column #006

子供の「魚大好き」に
応えよう

私は「生涯食育」という観点で、子供から大人までを対象に食育セミナーを多く開催しています。その中で、子供の意見と親の意見が大きく分かれるのが「魚」です。「魚が好き」と答える子供が多い一方で、「うちの子は魚を食べない」と回答する親も多いのです。子供は本当に魚を食べないのでしょうか?

いいえ。ある調査の結果では、子供の「魚が嫌い」という回答はわずか10%。なんと約90%の子供が、「普通以上」か、「好き」と答えています。

一方で、親の回答は「魚の調理が面倒」「生ゴミが出る」「グリルが汚れる」というものが合わせて80%近くあります。子供は魚が大好きでも、親が魚の調理が面倒で、家庭の食卓にのぼる回数が減る傾向にあるのが現状です。

このため、主催する食育セミナーでは、大人向けに「調理を楽にするお助けグッズ」「生ゴミを出さないコツ」「グリルを汚さず魚を焼く方法」など、お悩み解決策を紹介しています。

そして、もっと気軽に加工食品を利用することも提案しています。私は、手軽に食べられる「ファストフィッシュ」を選定する水産庁の委員会で副委員長を務めています。日本の食品加工は世界に誇れる素晴らしいもので、温めるだけでおいしく食べられたり、鮮度を保ったまま冷凍したり、骨ごと食べられたりする技術が発達しています。

こうした便利で安心な加工食品を取り入れることは、ひと昔前は手抜きのイメージもありましたが、今や賢い知恵のひとつだといえます。

魚は私たちが生きていく上で必要な9種類の必須アミノ酸をバランス良く含む良質なたんぱく源です。さまざまな栄養素も豊富で、特にドコサヘキサエン酸(DHA)は、脳を構成する脂肪酸の40%を占めており、子供の成長にも欠かせません。大人が目の前でおいしく食べると、子供はまねをして食べるようになります。これは心理学で同調効果と呼ばれています。「おいしいね」「魚は体にいいんだよ」と話しながら手本を見せることが大切です。おいしく健康に良い魚のある食卓を囲んでもっと家族で食べましょう。

魚のある食卓を家族で囲もう

浜田 峰子
はまだ・みねこ

食育専門家。「美味しく楽しく 笑顔は食卓から」をコンセプトに、食の専門知識を生かし水産庁の各種委員や調理師専門学校講師を務めるほか、本の執筆やTVコメンテーターとして各メディアで活動。食育セミナーや食を通じた地域活性化にも精力的に取り組んでいる。著書に「浜田峰子のらくらく料理塾」など。

Page Top