大根の皮はむかなくても味が染みておいしいブリ大根
八百屋に葉付きの立派な大根が並ぶ12月。魚屋にはこの時期に旬を迎える出世魚のブリが並ぶ。そんな2つの食材で作る「ブリ大根」は、まさにいま作って食べたい料理だ。
わが家は、煮込みすぎない、あっさりブリ大根。調理時間も短く、素材の味を楽しめる。ブリは下処理し、大根は半月切りにして、下茹でする。フライパンに水、だし昆布、かつお節、みりん、酒、砂糖と、ブリ、大根を一緒に入れて煮込み、後からしょうゆを加えて味が染み込むまで煮るだけ。大根の皮はむかず、まるごと食べる。皮には栄養もあり、ゴミも出ないし、手間も減る。
葉も使って大根づくしの料理を作ろう。葉、大根の上部、中部、下部と場所によって水分量も味も違うから、それぞれの部位にあった調理法がある。まず葉はすぐに切り落とす。葉が養分や水分を吸い取ってしまうから。葉は炒め物や、みそ汁の具として使い切る。
大根の上部はみずみずしく生で大根サラダとして食べるといい。短冊切りにして、ごま油、ポン酢、しょうゆ、のりであえるだけ。ちなみに青くひげ根がない部分は根ではなく茎だ。
中部はブリ大根やおでんのような煮物にぴったりだ。冷めるときに味が染み込むから多めに煮込み、翌日の味わいも楽しもう。一番下の部分は、水分が少なく辛味が強い。辛い大根おろしが好きな人は、ここを使おう。
ブリ大根から、始まった、大根1本使い切り献立。まるまる1本使い切ったときの達成感は、家庭料理の醍醐味(だいごみ)だ。
パパ料理研究家。昭和46年生まれ、京都府出身。立命館大卒。平成21年、ビストロパパ代表。26年、日本パパ料理協会設立、会長飯士就任。28年、農林水産省食育推進会議専門委員。SAKANA&JAPAN PROJECT(推進協議会・産経新聞社など)の一環で、父親を魚食推進の担い手に任命する「パパさかな大使」の代表を務める。