和風イワシハンバーグ。大根おろしとポン酢で食べる
和洋中どの料理にも活用できて、値段も手ごろなひき肉は、家庭料理に欠かせない。肉売り場のひき肉コーナーにはずらりと大小のパックが並ぶ。わが家では、鶏ひき肉を使った料理をよく作る。鶏はモモとムネの2種類ある。ムネの方が淡泊で食感は少し硬め。モモは脂身が多く、だんごにするとやわらかい。
牛豚合いびき肉を使ったハンバーグは大きさを変えて作れるので弁当のおかずにもぴったり。かみやすく、小さな子供からお年寄りまで誰もが食べやすい料理だ。そんなひき肉と同じように使い勝手がよく、おいしくて栄養価が高い食材がある。魚のすり身だ。日本人に、一番なじみのある青魚のイワシのすり身が、魚屋に並んでいる。今日はイワシのすり身を使ってハンバーグを作ってみたい。
作り方は、普通のハンバーグとほぼ同じ。すり身に塩、コショウを加えてこねる。魚の臭みを抑え風味をよくするために酒とショウガのすりおろしを混ぜる。みじん切りのネギ、卵、パン粉を加えてこねて成形して焼くだけ。形が崩れず、魚のにおいも気にならない。香ばしく焼きあげ、大根おろしとポン酢をかければ、和風イワシハンバーグの出来上がり。このハンバーグは冷やして食べても脂っぽくないのでおいしく食べられる。
ひき肉コーナーとは違って目立たないので、見落とすかもしれないが、普段使いの食材として、もっと日常的に魚のすり身を活用してみてはどうだろう。料理のレパートリー、魚食の回数が増え、バランスのいい食事が、きっと健康につながっていくだろう。
パパ料理研究家。昭和46年生まれ、京都府出身。立命館大卒。平成21年、ビストロパパ代表。26年、日本パパ料理協会設立、会長飯士就任。28年、農林水産省食育推進会議専門委員。SAKANA&JAPAN PROJECT(推進協議会・産経新聞社など)の一環で、父親を魚食推進の担い手に任命する「パパさかな大使」の代表を務める。