魚の国 宝の国 SAKANA & JAPAN PROJECT

SAKANA & JAPAN PROJECT
Facebook Twitter Instagram
 
2022年2月18日
#009

食べて、買って、釣って…西伊豆を満喫 地産地消の拠点「はんばた市場」に注目

伊豆半島の西側、駿河湾に面した静岡県西伊豆町は、海に沈む夕陽が美しい街だ。同町にある産地直売所「はんばた市場」が今、注目を集めている。駿河湾で獲れた魚介などの〝地物〟の販売に加え、釣り客が釣った魚を町内の飲食店などで使える電子地域通貨「サンセットコイン」で買い取るサービス「ツッテ西伊豆」を提供。はんばた市場、サンセットコイン、ツッテ西伊豆が三位一体になって、〝地産地消〟を推進しようという取り組みだ。食べて、買って、釣って…。はんばた市場に出かけて、西伊豆をめいっぱい楽しんでみては。

鮮度抜群の魚介に野菜〝地物〟を食べて

2020年5月に開設された、はんばた市場は、仁科漁港の目の前にある。海のすぐそばという意味の方言「浜端(はんばた)」から名づけられた。

市場に一歩踏み入れると、定置網漁で獲れたイサキやカワハギといった活魚が生け簀で泳いでいる。売り場には、カワハギの肝を添えた刺し身やタチウオの薄造り、ウツボの切り身など、獲れたての新鮮な魚介が並ぶ。高性能の急速冷凍設備を備えており、伊勢エビやキンメダイ、イカ、アジ、カツオといった豊富な魚介が、水揚げ直後の鮮度を保った状態で販売されている。特産品の本枯れ田子節(カツオ節)や干物、塩辛などの加工食品も豊富だ。

ワサビや野菜、果物は地元で収穫された新鮮なものばかり。そんな鮮度抜群の魚介や野菜を使った弁当や総菜も人気だ。

「以前は消費地の首都圏で販路を広げようと懸命だったが、競争も激しくハードルが高かった。一方で、地元に地物を食べられる場所が少ないことに気づいた。それなら、地元で売って、食べられる場所を増やして、外から人に来てもらえばいいと考えた」。西伊豆町産業建設課の松浦城太郎さんは、はんばた市場開設のきっかけをこう語る。

はんばた市場で取材に応じる西伊豆町産業建設課の松浦城太郎さん

自ら市場の厨房に立ち、魚をさばいている松浦さんが目指しているのは、単なる観光客向けの施設ではなく、地元の人が日常的な買い物に利用したり、飲食店や旅館がお客さんに提供する食材を購入したりできる市場だ。狙い通り、市場で購入した地物を提供する飲食店や旅館が増えており、地産地消の輪が広がっている。
はんばた市場の詳細はこちら

釣った魚を売って地域通貨をゲット!お得な特典も

松浦さんが次に取り組んだのが、観光客を呼び込みだ。注目したのは釣り客。毎年、多くの釣り客が西伊豆町を訪れているものの、その大半が釣りだけをして帰っていってしまう。町内で消費をしてもらうにはどうすればいいのか。釣り情報サイト「ツッテ」の編集長で釣りアンバサダーとして活動する中川めぐみさんの協力を得て2020年9月から始めたのが、「ツッテ西伊豆」だ。

提携している釣り船で釣りを楽しんだら、乗船証明書と釣った魚を持って、はんばた市場へ。魚種、サイズ、市場価格に応じて査定してもらい、電子地域通貨「サンセットコイン」と交換で買い取ってもらう仕組みだ。買い取った魚は、市場で販売する。高齢化で漁業従事者が減り水揚げ量も減少するなか、市場で販売する魚を確保する狙いもある。夕陽にちなんで名づけられたサンセットコインは、スマートフォンのアプリか、専用カードにチャージし、「1ユーヒ=1円」で、町内にある飲食店や土産物店、旅館、温泉施設など約140店舗で使える。サンセットコインで食事や買い物をすると、割引やもう1品サービスといった特典が受けられる店舗もある。
ツッテ西伊豆の詳細はこちら

釣り船では、道具はすべてレンタルで、船長が手ほどきしてくれるプランも用意しているので、初心者や家族連れでも手ぶらで安心して楽しめる。これまでに100組以上が参加し、最高買い取り価格は、3キロの真鯛の約5,000円(時価・参考価格)。一攫千金も夢ではない。

「釣り客を増やすと同時に、西伊豆の魅力を存分に楽しんでもらい、何度も訪れてくれるリピーターを増やしていきたい」と、松浦さん。観光客や釣り客に地元で楽しんでもらうことで、地産地消につなげようという仕組みだ。
ツッテ西伊豆の1日を紹介

絶景の夕陽スポットや断崖絶壁の露天風呂 見どころもいっぱい

西伊豆町内でしか使えないサンセットコインも、地産地消の重要なツールだ。西伊豆町では、全町民にサンセットコインのカードを配布しており、誰もがキャッシュレス決済手段を持っている。さらに、町では使った金額に応じて、サンセットコインとして使えるポイントを還元するキャンペーンを実施するなどで利用を促進してきた。
サンセットコインの使用可能店舗一覧はこちら

松浦さんは「町外の利用者を増やしていくことがこれからの課題。利用者が増えれば、それだけ西伊豆を訪れるファンも増える」と期待。ポイント還元キャンペーンのほか、町外の人にメリットのある特典を増やしていきたい考えだ。

はんばた市場の周辺には、〝伊豆の松島〟と呼ばれ、島々の間に沈む夕陽が美しい「堂ヶ島」や、断崖絶壁の上にたたずむ露天風呂に入れる澤田公園など、絶景の景勝地も多い。はんばた市場と周辺の観光スポットを組み合わせて、周遊するのも楽しそうだ。はんばた市場を拠店に、西伊豆の魅力を満喫してほしい。
「西伊豆町観光協会」公式サイトはこちら

提供:静岡県西伊豆町役場

Page Top