いたって簡単にできるポテサラツリー。ブロッコリーのゆで過ぎには注意
12月になると毎年、作るようになった料理がある。「ポテサラツリー」だ。“SNS映え”もする、この季節にピッタリのクリスマス料理だ。作り方はいたって簡単。ポテトサラダを作ったら、皿の上に円錐(えんすい)状に盛り、ブロッコリーの小房を埋め込むようにして覆う。隙間に半分に切ったミニトマトを、てっぺんに星形の黄パプリカをつまようじで刺したら出来上がりだ。これを、親子で作れば、とても楽しい。
大人は見本の写真通りに作りがち。主催する料理教室でも、お手本をまねて作ることを推奨している。しかし、子供は違う。お菓子を使ったり、食べ物以外で飾り付けをしたり、大きなツリーにチャレンジしたりと、とにかく自由なのだ。
それを見ていつも気づかされる。「もっと自由でいいんだ」と。型にはまることも大切。お手本をまねることから上達もする。けれど、自分はこうしたい、この方が面白いと感じて行動することがどれだけ生きる力として大切なことか。
先日開催したオンライン親子料理教室で、それぞれみんな違うポテサラツリーが画面に映し出されたのを見て、子供の自由な発想にハッとさせられた。子供たちの作るポテサラツリーはアートだ。なぜそうなったか。言葉にできなくても親が感じ取ればいい。
あるパパから写真が届いた。ポテサラがやわらかすぎたので子供が皿に平らに盛り付け、ブロッコリーで覆うと、見事な“ポテサラ古墳”になっていた。クリスマスの食卓に古墳。これも新しくていい。
パパ料理研究家。昭和45年生まれ、京都府出身。立命館大卒。平成21年、ビストロパパ代表。26年、日本パパ料理協会設立、会長飯士就任。28年、農林水産省食育推進会議専門委員。SAKANA&JAPAN PROJECT(推進協議会・産経新聞社など)の一環で、父親を魚食推進の担い手に任命する「パパさかな大使」の代表を務める。