彩りもあざやかな野菜巻き
すっかり、節分に恵方巻きを食べる習慣が定着してきた。恵方巻きを食べる人は買うか、作るかに分かれる。数年前から、わが家は作るようになり、作り方を料理教室や動画で伝えるようになった。そのかいあって、毎年恒例の行事にしてくれている家族が増えてきた。具やすし酢などは市販のものを活用。あとは、ご飯とのりと巻きすがあれば手軽に作れるのだ。節分の時には恵方巻きと呼ばれるが、節分を過ぎれば太巻きだ。豪華な海鮮ではなくても、普段から手軽に巻きずしを作ってはどうだろう。
特に細巻き。具も最小限ですむ。作りやすいし食べやすい。21センチ×19センチの大判ののりを半分に切れば細巻きのサイズになる。上手に巻くコツは、きっちり酢飯を量ること。巻く具の大きさによっても変わるが、70~80グラムがちょうどいい。それ以上多いとのりの長さが足りず巻けない。細巻きの具は、魚介類じゃなくてもいい。気軽に食べられて、お弁当にも入れやすいのが野菜巻きだ。キュウリのカッパ巻きは定番だが、他にもダイコンやニンジンでもおいしい。スティック状にカットすれば巻きやすい。生ダイコン、生ニンジンは、酢飯とのりとの相性もよく、野菜も甘いので、子供も喜んで食べるだろう。
巻く前に、のりを火にかけた鉄のフライパンで表裏さっとあぶるとパリッとする。おすし屋さんで食べるパリパリのりの細巻きに近付いた感じがした。立春も過ぎ、まもなく桜が咲く季節がやってくる。野菜巻きの弁当を持って、今年は桜の木の下で、ゆっくりお花見ができるといいな。
パパ料理研究家。昭和46年生まれ、京都府出身。立命館大卒。平成21年、ビストロパパ代表。26年、日本パパ料理協会設立、会長飯士就任。28年、農林水産省食育推進会議専門委員。SAKANA&JAPAN PROJECT(推進協議会・産経新聞社など)の一環で、父親を魚食推進の担い手に任命する「パパさかな大使」の代表を務める。