魚の国 宝の国 SAKANA & JAPAN PROJECT

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2018年11月11日
その他 #002

いわき海星高校マグロのコース提供「頑張った姿を想像して食べて」

いわき海星高校の練習船「福島丸」でマグロを釣り上げた生徒たち

「福島のお魚を食べようプロジェクト」では、飲食店などを展開する無洲(東京都港区)の協力を得て、同社の「PIASIS(ピアシス)新橋店」で12~30日まで、「福島のお魚を食べようコース」を提供するフェアを実施する。メイン食材は、福島の漁業・水産業の担い手を輩出してきた同県立いわき海星高校の生徒たちが練習船「福島丸」で2カ月かけてハワイ沖から取ってきたビンチョウマグロだ。

「食材として状態が抜群に良い。生徒たちの思いに応えようと、このマグロに関わった全ての人が本当に丁寧に扱ってきたことが分かる。それはおいしさにも表れる」

同店の濱田憲一料理長は、同県いわき市小名浜の名物「いわき海星高校マグロ」の魅力をこう語る。

県内唯一の水産・海洋系高校である同校では、福島丸で年3回、約2カ月の航海実習を実施。約50人の生徒が乗り込み、ハワイ沖で1回の操業に10時間以上かかる厳しいはえ縄漁を1カ月間行い、漁獲したマグロ20トン程度をいわき市の小名浜港に水揚げしている。マグロは地元のスーパーなどで販売され、小名浜の人たちは心待ちにしている。

福島丸は現在、漁を終え日本に向けて航行中で12日に帰港予定だ。同校の斎藤道雄教頭は「生徒たちは厳しい操業も元気いっぱいにやりとげた。またとない経験を積んで大きく成長し、復興の担い手となってくれるはず。一人でも多くの人に食べてほしい」と話す。

フェアを実施する無洲は「福島酒援・食援」を掲げ、復興支援に積極的に取り組んでいる。福島県産食材を中心としたコースを提供しているほか、日本酒はすべて同県の酒蔵のものだ。同社の浅野正義社長は「おいしいことが大前提だが、福島はおいしい食材の宝庫」と語る。

今回のコース料理は魚介、肉、野菜、米からデザートまで8品全てに同県産食材が使われている。刺し身はビンチョウマグロと常磐もののヒラメ。「脂がたっぷりと乗ったマグロは軽くあぶり、口の中でとろけるよう。ヒラメはコンブ締めでうま味と甘みを際立たせた」と、濱田さん。

メインはビンチョウマグロのネギ間鍋。マグロと同県名産の曲がりネギ、在来コンニャクの具材をあごだしで食す。鍋にしても、身はしっとり柔らかく、ぜいたくな一品だ。

コースには同校の生徒たちのメッセージが添えられている。
「僕たちの努力の結晶。頑張った姿を想像しながら食べてください」「地元の水産加工業に就くのが夢です」

(2018年11月11日)

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