栄養豊富で日本の大切な食文化である魚食の活性化に取り組む「SAKANA & JAPAN PROJECT」は、プロの料理家が家庭に出向き作り置きのおかずを調理してくれる出張代行サービスを展開するシェアダイン(東京都渋谷区)とタッグを組み、「家庭でさばく!お魚食育プラン」を、食育の日にあたる1月19日から2月11日まで実施する。
調理に手間がかかるなどの理由から家庭で“魚離れ”が進むなか、子供の目の前で魚をさばいて調理を一緒に体験することで、魚を食べる機会を増やしてもらうと同時に、食べることの大切さを学ぶ食育の機会を提供するのが狙い。
「まずは子供たちがお魚に興味を持つ接点を作ることが大切。その体験が、食への意識が高まるきっかけになれば」シェアダインの飯田陽狩(ひかり)・最高経営責任者(CEO)は、新サービスの狙いをこう語る。
同社は平成29年5月に創業。忙しい共働きや子育て世帯の家事負担を軽減しようと、管理栄養士や調理師などの資格を持つ料理家が自宅まで出張し、作り置き料理を作るサービスを提供している。利用者の要望に応じ、献立の提案から食材の購入、調理まで一貫して対応する。約3時間で4日分の夕食を賄える12品前後を作ってくれる。料金は料理家に応じて5千円程度(税・交通費込み、食材費別)から。新プランは8500円(同)で、子供の前で魚をさばく実演を行い、魚料理を含む8~10品前後を調理する。
自身も共働きかつ子育て世帯である飯田氏は「子供の喜ぶもの、栄養豊富な品数を作ってあげたいと思う半面、毎日の家事は時短優先で、似たようなおかずを作るのが精いっぱいだった」と振り返る。同社のサービスについて「家族との時間を持てることに加え、料理家から新たなレシピを学び、新しい味に出合い、食体験の幅が広がる」と、利用のメリットを強調する。
新プランを担当する料理家の一人で伝統的な和食を通じた食育の専門家でもある井上憲子さんは「ただ魚を食べるのではなく、魚のことを知り、魚の命をいただくという体験を提供したい」と語る。
育ち盛りの子供に栄養豊富な魚料理を食べさせたいと思いながらも、手間がかかることから魚料理を敬遠し、子供が魚嫌いになってしまうことが多い。井上さんは「魚嫌い克服のヒントを見つけてほしい。体の栄養だけでなく、家族そろって食べることが心を豊かに育む『心の栄養』にもなる」と力を込めた。
プロの料理家が子どもの前で魚をさばいて調理を行う
シェアダインの最高経営責任者(CEO)を務める飯田陽狩(ひかり)さん