魚の国 宝の国 SAKANA & JAPAN PROJECT

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滝村雅晴のパパ料理のススメ!

2018年6月21日
Column #003

孤食にさよなら共食で笑顔に

家庭で食卓を囲めば、会話も弾む

1日の食事をすべて1人で食べている「孤食(こしょく)」。平成29年度版の食育白書が発表され、週の半分以上が孤食という人の割合が15.3%となり、23年の11.2%から上昇した。背景には、「1人で食べたくないが食事の時間や場所が合わない」「食べる人がいないため仕方なく」といった理由がある。単身世帯、夫婦2人世帯、ひとり親世帯の増加、65歳以上の高齢者の1人暮らしが増えているのも孤食が増える要因だ。

孤食とは逆に、共に食事をすることを「共食(きょうしょく)」という。食卓を囲む一家だんらんは、まさに共食そのもの。ただ、父親抜きの食卓も多いのでは。夜中にパパだけ1人で食事という家庭も。調査でも、20~50代の働く世代が家族と一緒に食事をすることが困難な理由に「自分または家族の仕事が忙しい」が挙がっている。

今、私はパパ料理研究家として独立・起業し、「ひとり働き方・生き方改革」をしたことで、晩ご飯を家族と食べることが日常になった。子育ては期間限定なので一回でも多く食卓を囲みたい。その先に家族の笑顔が必ずある。

共食は、食事が楽しいだけでなく、健康面にも良いという調査結果がある。ほとんど孤食がない人は、主食・主菜・副菜とバランスよく食べているとのこと。野菜や果物の摂取量も多く、心の健康状態も良い傾向があるという。季節の食材を食べながら自然に会話が弾む食卓は、家族の心も体も育てる大事な機会だ。

私は父と平日に一緒に食べる機会は少なかったが、週末には台所に立つ姿があった。魚好きの父が買ってきた新鮮な魚介類を自らさばいて料理する姿だった。焼き魚をきれいに食べる父を見て、サンマをきれいに頭と骨と尻尾だけ残して食べるようになった。

どんなふうに食べればいいか。子供は一緒に食べない限り、学ぶことはないし教わることもない。何げない毎日の食卓から子供へと伝えていくものだ。おいしそうな食事をしている親の顔を見ているだけで、子供は食事の時間を楽しみにすることだろう。

スマホ全盛時代。SNSで誰かとつながりながら孤食をするより、家族との共食が好きな子供を、同じパパ世代と育てていきたい。まず平日も家に帰って家族と食卓を囲んでほしい。

滝村 雅晴氏
たきむら・まさはる

パパ料理研究家。昭和45年生まれ、京都府出身。立命館大卒。平成21年、ビストロパパ代表。26年、日本パパ料理協会設立、会長飯士就任。28年、農林水産省食育推進会議専門委員。SAKANA&JAPAN PROJECT(推進協議会・産経新聞社など)の一環で、父親を魚食推進の担い手に任命する「パパさかな大使」の代表を務める。

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