魚の国 宝の国 SAKANA & JAPAN PROJECT

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滝村雅晴のパパ料理のススメ!

2018年7月19日
Column #004

「子手伝い」で一緒に成長

ジャガイモの皮をむく「子手伝い」

「猫の手も借りたい」。子育て中の共働き夫婦が毎日心の中で叫んでいるかもしれない。食事の支度は毎日のこと。少しでも負担を減らすには、子供に何か手伝ってもらうのが一番だ。

厚生労働省の「21世紀出生児縦断調査」によると、5歳児の家事手伝いの状況は「食卓に食器を並べる、片づける」が74.1%で最多。次いで「買い物の荷物を持つ」が47.3%、「洗濯物をたたむ」が41.9%となっている。ちなみに3つのいずれも、男女別では女の子の方が手伝いをしている割合が高い。家事参画は5歳から男女で差が開いているのだ。

5歳といえば、手先も器用になり、できることが増えて興味の範囲も広がってくるとき。このタイミングで子供を料理の世界に誘ってほしい。

料理を作るにあたって5歳児でもできることを「子手伝い」と名付けた。「と」る。ミニトマトのへたをとる。畑のキュウリをとる。「の」ぞく。グツグツ煮込んでいる鍋をのぞく。「さ」わる。丸魚を触る。「ま」ぜる。卵をかき混ぜる。「か」う。イカをパパと買う。「こ」ねる。ハンバーグのタネをこねる。「む」く。ピーラーで皮をむく。覚えやすいように最初の文字を並べると、「殿様囲む(とのさまかこむ)子手伝い」になる。

子供が小さいころは手伝いと遊びの境目がなく、親のやっていることをやりたがる。内容によっては3歳からできる。子手伝いは子供のやる気スイッチ。次々に新しい子手伝いに興味を示し、いつしか本当の手伝いになっていく。

そんな子手伝いをパパと一緒にやってほしい。時間に余裕のある休日でいい。パパと子供がキッチンに立ち、マイペースでごはんを作ればいい。子供の成長はあっという間。思っている以上に、器用に手を使って子手伝いをしてくれる。目をキラキラさせて手伝うわが子はとてもまぶしい。

どこかに出かけなくても、キッチンに親子で立つだけで、すてきな時間を過ごせることに気付く。さらに、自分で作った料理を子供は残さず食べる。食べられなかったあの野菜も。苦手だった魚もペロリ。

猫の手よりも役に立つ子手伝い。この夏のやることリストに「親子で料理」を加えてはいかが。

滝村 雅晴氏
たきむら・まさはる

パパ料理研究家。昭和45年生まれ、京都府出身。立命館大卒。平成21年、ビストロパパ代表。26年、日本パパ料理協会設立、会長飯士就任。28年、農林水産省食育推進会議専門委員。SAKANA&JAPAN PROJECT(推進協議会・産経新聞社など)の一環で、父親を魚食推進の担い手に任命する「パパさかな大使」の代表を務める。

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