魚の国 宝の国 SAKANA & JAPAN PROJECT

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滝村雅晴のパパ料理のススメ!

2019年9月19日
Column #018

皆で作って生まれる思いやり

花屋で開いた料理ワークショップ

鳥取県北栄町に創業66年、3代続く花屋「花工房あげたけ」がある。私が前職で一緒に働いた根鈴啓一さん夫妻が平成29年4月にUターンし実家の花店を継いだ店だ。鳥取に行く機会があったので、彼と企画を考え、花屋で料理ワークショップを開催した。

花屋と料理は相性がいい。野菜の苗などを売っているし、花を飾り食事をするとおいしく感じる。今回はキッチンにグリーンがある生活を提案しながら、参加者にバジルを使った料理を作ってもらい皆で食べた。

参加者は近所のなじみの方々や根鈴さんの子供たちと同じ学区の親子など、老若男女25人。根鈴さん3兄弟の夫婦が花のディスプレーや食材の買い出し、もてなし料理作りなどファミリーで運営。倉庫だった2階をリノベーションした、緑に囲まれたコミュニティースペースが会場だ。この空間がおしゃれで居心地がいい。売り物のバジルの葉を摘み取って生春巻きにして食べた。

根鈴さんの親世代から子供たちまで3代がそろってのトモショク(共食)時間。自宅近くに皆で料理を作りながら食べられる、みんなの食堂的な場所があると生活が豊かになるのでは。少子高齢化の今、地域に住む人が、料理シェアして食べる暮らしが今後、増えていくだろう。

ここで大事なのは、皆で料理すること。協力しあう姿を子供に見せるのだ。根鈴さんは、自身の店を「コミュニケーションをデザインする花屋」だと言う。料理を作り合うコミュニケーションから、思いやりが生まれるのだと改めて感じた夏だった。

滝村 雅晴氏
たきむら・まさはる

パパ料理研究家。昭和45年生まれ、京都府出身。立命館大卒。平成21年、ビストロパパ代表。26年、日本パパ料理協会設立、会長飯士就任。28年、農林水産省食育推進会議専門委員。SAKANA&JAPAN PROJECT(推進協議会・産経新聞社など)の一環で、父親を魚食推進の担い手に任命する「パパさかな大使」の代表を務める。

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