魚の国 宝の国 SAKANA & JAPAN PROJECT

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滝村雅晴のパパ料理のススメ!

2020年04月16日
Column #025

教えることで成長する

もくもくと餃子を包む子供たち

新型コロナウイルスの感染拡大で、7都府県に緊急事態宣言が出され、学校も休校のまま。子供が家にいる日が続く。父親に「働く日も家族でトモに食事を」と訴えてきたが、図らずも毎日のように家族が食卓を囲むことになった。

これを機会に、日頃時間がなくてできなかった子供との食事作りを楽しむパパ友も増えだした。たとえば、大阪に住む弁当作りを得意とする椹(さわらぎ)さんは、家で退屈する子供たち3人を巻き込み、3年ぶりにギョーザを作った。

以前は上手に包むことができず、パパが横で見ていないと焼けるギョーザにならなかった長男の涼磨(りょうま)君(11)がギョーザ包みのリーダーに昇格した。丁寧かつ手早く包めるようになった涼磨君が率先して、志帆(しほ)ちゃん(8)と純也(じゅんや)君(5)を盛り上げ、やる気にさせる。パパは焼き係に、ママは完成するまで仕事に集中。子供たちだけで文句ひとつ言わず作業し、あっという間に130個のギョーザが完成した。長男の姿に成長を感じずにはいられなかったと、椹さん。

突如やってきた一日中家族が家の中にいることをポジティブにとらえよう。毎日欠かせない食事作りを子供たちに教えるビッグチャンスがやってきたのだ。家事ではなく、ゲーム感覚で子供が楽しむようになればしめたもの。教えるのはパパがやろう。料理が苦手でも、人は教えることで自分が成長する。涼磨君が弟妹にギョーザの包み方を教えて、よりお兄ちゃんらしくなったように、パパもより父親らしく成長できる。実はそれが一番の狙いなのだ。

滝村 雅晴氏
たきむら・まさはる

パパ料理研究家。昭和45年生まれ、京都府出身。立命館大卒。平成21年、ビストロパパ代表。26年、日本パパ料理協会設立、会長飯士就任。28年、農林水産省食育推進会議専門委員。SAKANA&JAPAN PROJECT(推進協議会・産経新聞社など)の一環で、父親を魚食推進の担い手に任命する「パパさかな大使」の代表を務める。

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