魚の国 宝の国 SAKANA & JAPAN PROJECT

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滝村雅晴のパパ料理のススメ!

2020年9月17日
Column #030

感謝しながらサケを買う

いい色、いい味に仕上がったサケのムニエル

北海道近海の海水温が上昇している。気象庁によると、太平洋側は大半が21度。解禁になった秋サケの定置網漁では暖流系のブリがかかる。秋の味覚は、サンマだけでなく、サケも不漁のようだ。

漁獲高や市場のニーズによって価格は変わる。国内の漁業従事者は高齢化し減少。スーパーにはさまざまな魚種が並ぶが、お手頃な価格の魚には外国産が多い。そんなことを考えながら北海道産の秋サケを買い物かごに入れた。今夜のメインディッシュだ。

メニューは、シンプルに「サケのムニエル」。塩、こしょう、小麦粉を振って、オリーブオイルとバターで両面こんがり焼く。ミニトマト、イタリアンパセリを加えて火を通し、レモンを搾れば出来上がり。シンプルな味つけだが食卓では「おいしい!」の歓声があがった。調理の際に皮を取るが、ここがおいしい部位だ。残りのバターソースで皮をカリカリに焼いた。娘と取り合いになった。

買い物をするときに値札を見て買うか考える。ちょっと高いなと思うこともしばしば。けれど値段には理由がある。生産者の苦労が詰まっている。レジでイメージしていることがある。スーパーにお金を払っているのではなく、漁師さんにお金を払うのだと。すると気持ちよく支払いができる。「食べたかったサケを取ってくれてありがとう」。おいしかったのでもう一度買うときは、「おいしかった」としっかり心で伝える。「いい買い物したな」と思う日々を楽しんでいる。

滝村 雅晴氏
たきむら・まさはる

パパ料理研究家。昭和45年生まれ、京都府出身。立命館大卒。平成21年、ビストロパパ代表。26年、日本パパ料理協会設立、会長飯士就任。28年、農林水産省食育推進会議専門委員。SAKANA&JAPAN PROJECT(推進協議会・産経新聞社など)の一環で、父親を魚食推進の担い手に任命する「パパさかな大使」の代表を務める。

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