魚の国 宝の国 SAKANA & JAPAN PROJECT

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滝村雅晴のパパ料理のススメ!

2021年12月16日
Column #045

「作る」だけが料理にあらず

おせち料理にもなるブリの照り焼き

おせち料理をどうするのか考える季節になった。昨今、選択肢が増えた。おせち料理セットの種類が豊富なのだ。私の幼少のころは親戚が一同に集まり手作りしていたが、今では少数派だ。購入するにしても、昨年から新型コロナウイルス禍で帰省を自粛する人が増えたことで、何人分にするか迷うようになったのではないか。3~4人分くらいのセットが人気かもしれない。

ある調査によると、おせち料理セットを買う人は24%。ほぼ買う人を含めると43%となり半分近くになる。完全に手作りの人は3%だとか。もはや、おせち料理は「買う」時代になった。わが家は手作りと購入が半々だ。作りやすいものだけ手作り。おススメは、ブリの照り焼きと、炒(い)り鶏、たたきごぼう。日常の食卓でもなじみのある料理だ。おせち料理作り初チャレンジの人は、全部作ろうとせず毎年1品ずつレパートリーを増やしてはどうだろう。

では、何を作って何を買うか、いろいろ思案が必要だ。そう、もう料理は始まっているのだ。「作る」ことだけが料理ではない。別の調査で家族に調理以外も料理だと分かってほしい人の割合が84%だった。それを皆が理解して行動すれば、料理をしている人の負担はグンと下がる。おせち料理セットを購入しても、楽になるのは調理だけ。選ぶ、購入、保管、配膳、片付けと、変わらない負担があるのだ。新年早々、おせち料理を食べる際に、昨年までしていなかった家事に参加してみよう。きっといい1年の始まりになる。

滝村 雅晴氏
たきむら・まさはる

パパ料理研究家。昭和45年生まれ、京都府出身。立命館大卒。平成21年、ビストロパパ代表。26年、日本パパ料理協会設立、会長飯士就任。28年、農林水産省食育推進会議専門委員。SAKANA&JAPAN PROJECT(推進協議会・産経新聞社など)の一環で、父親を魚食推進の担い手に任命する「パパさかな大使」の代表を務める。

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