白石農園のチコリーで作ったチコリーボート
新型コロナウイルス禍で対面イベントの中止が相次いでいるが、デジタルを活用すれば、活動を続けることができる。特に食育関連のイベントでは、「作る」「食べる」を複数の人数で行うことが多く、感染防止のため、オンラインでの料理教室や体験イベントの実施が必須となっている。
北海道で食育推進をするNPO法人「のこたべ」では今月5日、地元高校生らと企画した野菜の貴婦人とも呼ばれるチコリーの収穫体験を急遽(きゅうきょ)、オンライン開催に変更した。オンラインでも収穫を体験しているようにできないかと、実際の栽培に使うのと同じ土ともみ殻に埋まったチコリーが入った収穫体験キットを発案。事前に参加者に届けた。当日は北海道北斗市のチコリー生産農家の白石敏明さん(31)とオンライン上でつながりながら、チコリーを掘り起こした。
次は私の出番。収穫したチコリーを自宅で食べ尽くすオンライン料理教室を実施。北海道の小学生とその親たちと一緒に、サーモンマリネやアボカドディップを作り、ボートに見立てたチコリーの葉にトッピングするチコリーボートを作った。生産者である白石さん親子も自宅から参加。それぞれの家のキッチンで、頑張って料理を作り、シャクシャクとしたチコリーを食べる体験を共有できた。
「料理の前に食材をそのままおいしく食べてもらえたことが一番良かった。生産者自らが参加することで、消費者とつながり、新たなヒントも生まれる」と白石さん。こんな時だからこそ、生産者とともにデジタル食育を推進していきたい。
パパ料理研究家。昭和46年生まれ、京都府出身。立命館大卒。平成21年、ビストロパパ代表。26年、日本パパ料理協会設立、会長飯士就任。28年、農林水産省食育推進会議専門委員。SAKANA&JAPAN PROJECT(推進協議会・産経新聞社など)の一環で、父親を魚食推進の担い手に任命する「パパさかな大使」の代表を務める。