塩鮭、ハム、チーズ、レタスの「おにぎらず」
夏休みも終わると、外から秋の虫の声が聞こえてくる。学校が始まり、弁当作りも再開だ。
弁当で好きなおかずといえば、やっぱり鮭(さけ)。切り身が入っているだけで、ごはんが進む。おにぎりを買うときもつい鮭を選んでしまう。魚屋に行くと、辛(から)さが違う切り身の鮭が並んでいる。甘塩、中塩、辛塩、超辛塩。これは塩分濃度で分けられており、おおよそ甘塩だと3%未満、中塩は5%、辛塩だと8%程度。超辛塩は20%にもなるとか。昔は冷蔵、冷凍などできなかったため、塩漬けで日持ちをさせていた。超辛塩はそのなごりだ。今は健康志向の減塩ブームから、甘塩などが主流になってきているが、弁当やおにぎりに使うなら辛塩ぐらいがいい。
そこで、おかずとごはんが一緒に食べられ、1品作るだけで弁当になる「おにぎらず」を紹介したい。作り方は簡単。海苔(のり)の一辺の真ん中から中央まで、ハサミで切れ目を1カ所入れる。切れ目を上に右側上下それぞれにごはん、左側上にチーズとハム、下にレタスと塩鮭をのせる。左上から3回折りたたんでラップで包むだけ。包丁で半分に切ると、断面がきれいに見える。おにぎりだと、中に詰める具は少量だが、おにぎらずは、一口サイズでもたくさんの具が包めるのだ。作り方が分かれば、小さな子供でも簡単に作ることができる。家族で楽しんで作ってほしい。
さっそく作ったおにぎらずにかぶりつく。食べやすい。塩鮭とごはんと海苔は、最高の組み合わせだ。ごはんには、塩味が効いた鮭が、やっぱりおいしい。また焼こう。
パパ料理研究家。昭和46年生まれ、京都府出身。立命館大卒。平成21年、ビストロパパ代表。26年、日本パパ料理協会設立、会長飯士就任。28年、農林水産省食育推進会議専門委員。SAKANA&JAPAN PROJECT(推進協議会・産経新聞社など)の一環で、父親を魚食推進の担い手に任命する「パパさかな大使」の代表を務める。