「カレイの姿揚げ」を手にする大川魚店の大川勝正社長
「福島のホッキ貝は身がプリッとして味が濃い。海が豊かな証し」
福島県いわき市の港町、四倉に本店を構える鮮魚店、大川魚店の大川勝正社長は舌の肥えた地元客に鍛えられた目利きで厳選したホッキ貝を手にこう語る。
「ジャパン フィッシャーマンズ フェスティバル」では、地場のホッキ貝を惜しげもなく使った炊き込みご飯「ホッキ飯」や30センチ級のカレイを丸ごと揚げた「かれい姿あんかけ」を提供する。ホッキ飯を頬張ると磯の風味が口いっぱいに広がる。カレイは肉厚で食べ応えがある。
日々市場に通う大川さんは「水揚げされる魚介は良質なものばかりで、資源が回復してきているのがはっきり分かる。この機会に、ぜひとも常磐ものを食べてほしい」と願う。
おいしさを伝えようと、県外での物産展やイベントにも積極的に出向いている。悩みは、「試験操業」で水揚げが少なく、地場のものを十分に確保できないこと。「鮮魚は地元でほとんど売れてしまう。加工品用に地場の魚を確保するのも難しい」という。
「一気には増やせなくても、できるだけ早く震災前の半分までは戻ってほしい。少しでもその役に立てれば」と、フェスティバルで提供する地場の魚介の調達に奔走している。
(2018年11月11日)