白身魚の王様はタイですね。桜の季節は「サクラダイ」と呼ばれるほど、美しい桜色をしています。といっても、これは天然のマダイの話。値段が倍も違う高根の花で、食べるのはもっぱら養殖物です。「養殖技術が進化しているので、昔に比べておいしくなっているわ。今日はひと手間加えて、さらにうまみをアップさせてみましょうか」
江上料理学院副院長の江上佳奈美先生の提案に、ひなちゃんは「魔法を使うんですかぁ」と興味津々。
江上先生が持ってきたのは昆布(こんぶ)でした。そうか、おすし屋さんでも昆布締めにしますね。早速、挑戦してみました。水でぬらしてかたく絞ったキッチンペーパーで昆布の汚れを拭き、酢か酒をふりかけます。うちはひなちゃんも食べるので、酢で。
タイはそぎ切りにします。包丁を少しねかせて薄くそぐように切っていくと、まるですし職人になった気分です。昆布にタイを1切れずつ並べて、その上から昆布を重ね、さらにその上に残りのタイを並べました。巻きずしのようにくるくると巻き、冷蔵庫で半日ほどおきました。
塩昆布も用意して、戻し汁をたれとして活用します。味付けは塩昆布の塩分でばっちり決まりました。
器にタイを盛り付けて、戻した塩昆布とネギをのせ、たれをかけて完成。たれで全体をあえてもいいし、ユズコショウやおろしショウガ、ワサビを添えてもいいそうです。口いっぱいに重なっていくうまみにうっとりとしながら食べていると、途中でママの箸が止まりました。「タイ茶漬け用に残しておかなくちゃ」。
タイ(刺し身用) | …1 |
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さく昆布(10センチ角) | …2枚 |
小ネギ(小口切り) | …1本分 |
塩昆布 | …小さじ1酢 |